May 12, 2015

FUNKY METERS

BSR誌の濱田さんにご紹介頂いて、光栄にもファンキー・ミーターズのビルボード公演でDJをやらせていただいた。幸せな夜でした。

実際のところ、ミーターズはオリジナル・メンバーはアート・ネヴィルとジョージ・ポーターのみで、ジガブーもノセンテリもいない。たとえ、いま4人が揃ったとしても、初期ミーターズのサウンドにはならないだろうってことは、わかっていながら、でもあの音がミーターズなんだよなぁ、と。ずっと思っている。

たとえば、「カセットコンロスの1枚目の音が好きで、あの感じじゃなきゃ」とか、言われたらどうだろう。「そんなことは知ったこっちゃない」のだ。とても有難いことで、嬉しくはあるけれど、知ったこっちゃないのだ。やる側は。とか。
あのサウンドは、もうレコードにしかない。わかっちゃいるけど、あれが好きなんだけどなぁ。てなことは色んな場面で多々ある。

結果、どんなかたちであれ、素晴らしいライヴであれば、受け入れられるし、そうでなければ残念である、というだけのことなんだろう。
それが、ずっと続けるということなのだと思う。

ライヴが始まるまでは、そんなことがアタマを巡っていた。けれど、結果、本当に素晴らしい光景が観れたので、僕は嬉しくなってしまったのだ。

特に、セカンド・ステージの後半にかけて。太く熱く、延々。観るものが高まるまでやり続ける、ウネり続ける。という、バンドの意地みたいなものが、ひしひしと感じられたのが良かった。

もう、あんまりオルガンも弾けないし、なんなら歌詞も思い出せなかったりするアートだけど、そのすぐそばに立ってひたすら支え、リードし続けるジョージ・ポーターがやたら美しい。アール・キングの来日のときのことを思いだした。痛々しいくらいにヨレヨレだったアールのすぐ横にもジョージ・ポーターが忠犬のように寄り添っていた。

アートがステージに立てなくなるまで、ジョージ・ポーターは付き合う覚悟なのだろうな。とか、考えながら、ファンキー・ミーターズのファンク・グルーヴに高められたのでした。

写真は、DJブースからの光景と、マルちゃんが撮ってくれた選曲中のわたくし。