BSR誌の濱田さんにご紹介頂いて、光栄にもファンキー・ミーターズのビルボード公演でDJをやらせていただいた。幸せな夜でした。
実際のところ、ミーターズはオリジナル・メンバーはアート・ネヴィルとジョージ・ポーターのみで、ジガブーもノセンテリもいない。たとえ、いま4人が揃ったとしても、初期ミーターズのサウンドにはならないだろうってことは、わかっていながら、でもあの音がミーターズなんだよなぁ、と。ずっと思っている。
たとえば、「カセットコンロスの1枚目の音が好きで、あの感じじゃなきゃ」とか、言われたらどうだろう。「そんなことは知ったこっちゃない」のだ。とても有難いことで、嬉しくはあるけれど、知ったこっちゃないのだ。やる側は。とか。
あのサウンドは、もうレコードにしかない。わかっちゃいるけど、あれが好きなんだけどなぁ。てなことは色んな場面で多々ある。
結果、どんなかたちであれ、素晴らしいライヴであれば、受け入れられるし、そうでなければ残念である、というだけのことなんだろう。
それが、ずっと続けるということなのだと思う。
ライヴが始まるまでは、そんなことがアタマを巡っていた。けれど、結果、本当に素晴らしい光景が観れたので、僕は嬉しくなってしまったのだ。
特に、セカンド・ステージの後半にかけて。太く熱く、延々。観るものが高まるまでやり続ける、ウネり続ける。という、バンドの意地みたいなものが、ひしひしと感じられたのが良かった。
もう、あんまりオルガンも弾けないし、なんなら歌詞も思い出せなかったりするアートだけど、そのすぐそばに立ってひたすら支え、リードし続けるジョージ・ポーターがやたら美しい。アール・キングの来日のときのことを思いだした。痛々しいくらいにヨレヨレだったアールのすぐ横にもジョージ・ポーターが忠犬のように寄り添っていた。
アートがステージに立てなくなるまで、ジョージ・ポーターは付き合う覚悟なのだろうな。とか、考えながら、ファンキー・ミーターズのファンク・グルーヴに高められたのでした。
写真は、DJブースからの光景と、マルちゃんが撮ってくれた選曲中のわたくし。